寒くなってくると、マヌカハニーの需要はどんどん高まってきます。
初めて購入する場合はとくに、「マヌカハニーのどこが良いの?」、「普通の蜂蜜となにが違うの?」という素朴な疑問も生まれてくるでしょう。
ここでは、日本の蜂蜜事情を交えながら、ニュージーランドのマヌカハニーとの違いについてご紹介いたします。
目次
マヌカハニーと蜂蜜の違い
マヌカの花から採れる蜂蜜だから「マヌカハニー」
マヌカハニー(manuka honey)のマヌカとは樹木の名前です。マヌカの樹はもともとニュージーランドとオーストラリアで数百万年前から自生していました。
正式名称は、フトモモ科ギョリュウバイ属の低木の常緑樹と呼ばれ、現代では生け垣や庭木にも使われています。
マヌカの樹はニュージーランドではとても身近な存在で、養蜂場だけでなく、公園や道路端をはじめ、住宅街でも普通に見かけることができます。

マヌカ(日本名・ギョリュバイ)の花は、12~1月にかけて咲きます。実は日本でもホームセンターなどで購入できます
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マヌカハニーと蜂蜜の違い
マヌカの樹から採れる蜂蜜だからマヌカハニーと呼ばれ、それ以外の花から採れる蜂蜜はマヌカハニーとは呼べません。
マヌカハニーに含まれるメチルグリオキサールという成分には、高い殺菌力と抗炎症作用がありますので、身体の免疫力を向上させて様々な健康効果が期待できる食べ物です。
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実はニュージーランド政府が発表するマヌカハニーの年間生産量は1,600トンほどですが、世界のマヌカハニー販売量は1万トンと言われています。マヌカハニーのブランド価値(効果の期待度)の高さがうかがえるエピソードではないでしょうか。

日本のハチミツ事情|意外と知られていない事実とは?
マヌカハニーは素晴らしい健康食ですが、日本の蜂蜜も負けてはいません。ここからは日本の蜂蜜についても深掘りしてみます。
日本のスーパーでよく見る純粋ハチミツと加工ハチミツ
焼いたパンの上にハチミツを塗って食べるのって美味しいですよね。料理の隠し味に使うかたも少なくないでしょう。
日本のハチミツ事情ですが、身近なスーパーに置いてあるハチミツは、おおよそ純粋ハチミツと加工ハチミツ(加糖又は精製)の2種に分けられます。
値段を比べると純粋ハチミツの方が高いことが分かりますが、純粋ハチミツのなかでも世界一の生産量を誇る中国産、養蜂が盛んな国の原産(アメリカ、アルゼンチン、トルコほか製造において厳しい規格がある国)、日本産と高価になっていく傾向があります。
「純粋ハチミツ」の定義
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純粋ハチミツとはいえ、すべては期待できない!?
本来の「ハチミツ」は、ミツバチが越冬のために花蜜を採取し、体の中で変化させ、巣の中で加工し、貯蔵(完熟)したものです。ちなみに、ミツバチがブンブンと羽をならすのは、花蜜の水分を飛ばして、より甘く、濃厚にするための動きです。
ハチミツの成分構成は20%が水分、80%がブドウ糖と果糖と言われています。その他、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、オリゴ糖など免疫力に関わる大切な成分が何種類も含まれています。
ハチミツの栄養素は熱で壊れてしまう
ハチミツの栄養成分は40度以上で壊れはじめると言われています。
残念なことに、日本で販売されている多くの純粋ハチミツは、下記の理由から完熟まで待たずに加熱されることが多いそうです。
- 基準の濃度に高めるため(能率化)
- さらさらしていないと瓶詰めがしにくい
- 結晶化しているものは消費者に嫌われる
とりわけ輸入される外国産のハチミツは、船上のコンテナの中では室温が60度以上(80度という話も!)になっているので、ハチミツとしての栄養成分は期待できません。しかし、そういった加熱処理されたハチミツも「全国はちみつ公正取引協議会」においては「純粋」と表記してもよいことになっているのです。
「本物のハチミツ」が食べたければ、直接養蜂家から買うのが妥当?
「全国はちみつ公正取引協議会」という団体はありますが、養蜂家に加入義務はありません。しかし、一般的なスーパーで流通しているハチミツはこの規約に沿ったものが多く、それらのハチミツはあくまで料理のための甘味料の一つとしてのハチミツと考えたほうが無難でしょう。
つまり、栄養成分が豊富な日本産のハチミツが食べたい! という場合は、「純粋」という表記を気にせず、顔が見える養蜂家(養蜂場)を探して直接購入するのがベストです。
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ニュージーランドのマヌカハニー(ハチミツ)事情
ニュージーランドの基準は日本よりはるかに厳しい
ご存知のかたは多いでしょうが、ニュージーランドでは日本よりもハチミツの基準が厳しく定められています。
マヌカハニーにもいろいろな区分があり、甘味料としてのマヌカハニーから医療用のマヌカハニーまで、そのレベルは様々です。また、マヌカと他の花蜜をブレンドしたものもあります。
現地ニュージーランドでは、マヌカハニーの効果を数値で分かりやすく示す決まりがあり、UMFやMGOなどいくつかのレイティングシステムをメーカーによって早くから取り入れています。
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2014年のマヌカハニースキャンダル
マヌカハニーの特別な成分が世界に認められ、その需要は年々すさまじい勢いで伸びていきました。女優のスカーレット・ヨハンソンさんやテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手などのセレブリティーと呼ばれる人たちが使っていることも、ブームに拍車を掛けたでしょう。
しかし、マヌカハニー市場にとって良くない事件が起こってしまいました。
マヌカハニースキャンダル
これらは日本でも取り上げられ、マヌカハニーを信じて購入していた消費者への冒涜であると世界的に大きな問題になりました。その後、ニュージーランドの政府はマヌカハニーの基準を見直し、2018年2月5日から新たな規制を執行したのです。
マヌカハニーの新規制
“All honey labelled as mānuka for export must be tested by an MPI-recognised laboratory to make sure it meets the new mānuka honey definition.”
“輸出されるマヌカと表記されている全てのハチミツは第一産業省の認可するラボで新たなマヌカハニーの定義を満たすためのテストをされていなければならない”引用/ニュージーランドの第一産業省のホームページより
(クリックすると現地の英語サイトに飛びます)
ニュージーランドの第一産業省のホームページから抜粋しました。
2018年2月5日からニュージーランドではマヌカハニーの輸出に際して新規制が執行となりました。今後のマヌカハニー産業の信頼を図っていくための新たなルールと言えます。
新たな基準を分かりやすく要約すると……
海外に輸出される商品のラベルに関して「Manuka」(右上に®️か™️のマーク)と表示する際には、国が定めた研究所でテストを受けて合格しなければならず、分かりやすいところでは【4つの化学物質と1つのマヌカの花粉のDNAが入っていなければならない】という決まりが設けられました。
また、【化学物質の量】なども厳密に調べられるようになり、これによってマヌカハニーの有効性が約束されることになります。
ちなみに、現行の国が認めた3つの規格(UMF、MGO、MGS)のレイティング表示は継続してよいこととなっています。

筆者が食べているマヌカハニーには「™️」と「®️」がしっかりと入っていました。ちなみに、Kiwi manukaの「UMF®️15+」という商品です。
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【まとめ】
マヌカハニーと蜂蜜の違いは、マヌカの樹(花蜜)から採れた蜂蜜かどうかと考えて問題ありません。マヌカハニーは豊富な成分が含まれますので、一般的な蜂蜜よりは健康・美容効果が十分に期待できると言われています。
とはいえ、日本でも信頼性の高い養蜂場は多く存在しますので、「日本の本物のハチミツ」が食べたい場合は、直接養蜂場に問い合わせるのが得策と言えます。
前述しましたが、マヌカハニーには効果が期待できない偽物がたくさん出回っていますので、くれぐれも発売元や成分表示などに注意しながら購入するようにしましょうね。

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